トイレトレーニングを焦らずに進めるためのポイントは? 『ベビーブック6・7月合併号』育児特集番外編Q&A

子どもが健やかに成長するために欠かせないものだとわかっているからこそ、ベビーブック世代で悩んでいる人が多いのが「子どもの睡眠」について。小児スリープコンサルタントとして活躍する医師が、今日から試せる方法を具体的にアドバイスします!

 

 

Q.1 イヤイヤがひどくてトイレトレーニングが進まないときは、どうしたらよいですか?

Q.2 おもらしをされるとイライラしてしまうのですが、どんな言葉をかけ、どう対応すればよいのでしょうか?

Q.3 おしっこやうんちのふき方は、何歳ごろから教えればよいのでしょうか。

Q.4 便座に座らせてもおしっこが出ないことが続く場合は、どうしたらよいですか?

Q.5 トイレに誘っても行きたがらない原因としては、どんなことが考えられますか?

Q.6 もうすぐ3歳になるのですが、おむつがはずれそうになくて不安です……。

Q.1 イヤイヤがひどくてトイレトレーニングが進まないときは、どうしたらよいですか?

A.

1歳半ごろから2歳台にかけてのイヤイヤ期は、おうちの方にとっては関わり方に悩む時期ですが、この時期に「イヤ!」と言って自己主張ができることは子どもの発達上、重要なことです。イヤイヤは3歳を過ぎるころには落ち着いてくることが多いので、おうちの方が誘ってもトイレに行きたがらない場合は、3歳半ごろまでトイレトレーニングの開始を待ってみてもよいでしょう。イヤイヤ期の子どもはおうちの方が言うことをそのまま聞き入れたくなくて、とりあえず「イヤ!」と言っていることが多く、トイレに行くことそのものを嫌がっているわけではないことも多いです。イヤイヤがおさまったタイミングでトイレトレーニングを始めれば問題ないので、焦らなくて大丈夫ですよ。

Q.2 おもらしをされるとイライラしてしまうのですが、どんな言葉をかけ、どう対応すればよいのでしょうか?

A.

「おもらしは子どもの成長過程ではよく見られることなので、ネガティブな言葉は言わない方がよい」ということは百も承知でも、イライラしてしまうのは人として自然なことです。おもらしを「想定範囲内のこと」にしておくために、おもらしをされたらすぐに拭けるようにリビングにもトイレットペーパーを置いておくなど、「こういうときは、こうする」という行動パターンを想定して必要な準備をしておくと、イライラを少しはやわらげることができるのではないでしょうか。

子どもに接するときは、「着替えようか」とこれからやることについての言葉がけをすると、おもらしをしたことを責めずにすみます。おもらしの後始末をしたら「これで片づいたね、きれいになったね」といった前向きな言葉を口にすると、次に向かって一歩を踏み出すために気持ちを切り替えやすくなりますよ。

Q.3 おしっこやうんちのふき方は、何歳ごろから教えればよいのでしょうか。

A.

トイレトレーニングを行う2歳前後の時期は、自分でふくにはまだ子どもの手の長さが十分ではないことが多いので、「うんちが出たからふこうね」などと声をかけて、おうちの方がふくようにしましょう。子どもが自分でふけるのは5歳ごろからなので、小学校に入学する前までを目安に、ふき方を教えておくとよいでしょう。おしっこやうんちをふいた後は、手をよく洗ってハンカチでふくことまで教えておくと、手指の清潔を自分で保てるようになります。

Q.4 便座に座らせてもおしっこが出ないことが続く場合は、どうしたらよいですか?

A.

便座に座ったときに足がつかない状態だと、姿勢が不安定で怖いと感じて出なくなっていることも。そのため、座ったときに足がつく高さの踏み台を用意して、姿勢を安定させてあげましょう。踏み台ではなく、子どもの足をおうちの方が手のひらで受け止めてあげることで、子どもが安心できることもあります。そのようにしておしっこが出たら、「おしっこ出たね。怖くなかったね」と声をかけるとよいでしょう。

おしっこが出そうなタイミングの見極めが難しい場合は、朝起きたときにおむつが濡れていなければ、トイレに連れて行って「おしっこ出るかな?」と声をかけてみるのも一つの方法です。

Q.5 トイレに誘っても行きたがらない原因としては、どんなことが考えられますか?

A.

トイレが暗い、寒い、狭いなど、場所への不快感が、「行きたくない」という気持ちにつながっているのかもしれません。トイレに連れて行く際は前もってトイレの明かりをつけておくなど、環境面で改善できることがあれば取り組んでみましょう。好きなキャラクターのグッズなどをトイレの室内に飾る、トイレに行けたらカードにごほうびのシールを貼れるようにするなどのお楽しみ要素を取り入れてみるのもおすすめです。

敏感な子の場合は、うんちをした際に便器内の水がおしりに跳ね返ってくる感覚を不快に感じ、トイレを嫌がることもあります。その場合は、便器内にあらかじめ折りたたんだトイレットペーパーを浮かべておいて水の跳ね返りを防ぐと、トイレでできるようになることもあります。

Q.6 もうすぐ3歳になるのですが、おむつがはずれそうになくて不安です……。

A.

トイレトレーニングが進むペースは子どもによって異なるので、その子のペースを尊重して待つ姿勢も大切です。おむつの時期が長くても、それぞれの子どもにとっての切り替えのタイミングが来ると1~2週間ですぐにはずれるケースも少なくありません。園などで集団生活を経験して他の子がトイレでしている様子を見たり、誕生日などの節目を迎えたりしたことがきっかけで、一気におむつはずれが完了することもあります。おうちの方は、焦らずに淡々とトイレに誘うことを繰り返し、子どもが「おむつよりもパンツで過ごしたい」と思うようになるタイミングを待ちましょう。

 

藤井明子先生
医療法人社団育心会 児童発達部門統括理事。どんぐり発達クリニック及びさくらキッズくりにっく勤務。小児科専門医、小児神経専門医。3児の母。

イラスト/ささきともえ 文/安永美穂 構成/KANADEL

トイレトレーニングで親子それぞれが大変な思いをしないようにするには、焦らずに進めることが大切です。『ベビーブック』2024年6・7月合併号「&ベビー」では、焦らずに取り組めるトイレトレーニングの具体的な進め方について詳しく解説しています!

育児特集 番外編Q&A【もっと教えて、先生!】全記事リストはこちら

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