今、読んでほしい一冊『ウクライナ わたしのことも思いだして』

2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻開始から、今年の2月で3年が経過しました。

今もまだ、戦火にさらされた人びとの暮らしは続いています。

ジョージ・バトラーが渦中のウクライナに赴き、市井に生きる老若男女の声に耳を傾け、自身で描いたスケッチと共にまとめた証言集『ウクライナ わたしのことも思いだして 戦地からの証言』が発売されました。

ウクライナ わたしのことも思いだして 戦地からの証言』 ISBN 978-4-09-290682-2 四六判・240P 定価2200円(税込)

 

本作の注目ポイント

市井に生きるさまざまな人の声

この本には、4歳から99歳まで、学生、医師、建築士、兵士など、さまざまな人々が登場します。

体中に銃弾をあびた元兵士、息子を虐殺された母、砲声の中で遊ぶ幼い兄弟――。

バトラーは、取材で聞いた言葉に一切の脚色を加えず、実に淡々とつづっています。

しかしその言葉の端々から、ウクライナの人びとの思いが津波のように押し寄せてくるのです。

 

現地で描かれたスケッチの数々

バトラーは、世界中の紛争地や難民キャンプを訪れ、その場でスケッチをしながら取材するスタイルを続けています。

本作にも、インタビューに答えた人びとの肖像や、破壊された町並み、戦車などのイラストが多数収められています。

アルテーム・14歳。戦闘の激しいマリウポリで家族とともにひと月あまりを地下シェルターで過ごし、その後数か月かけてヴァシーリウカへ避難した。
破壊されたイルピニ橋の下にある仮設の橋。

訳者・原田 勝さんからのメッセージ

原田さんが、本作の翻訳にあたり、メッセージをお寄せくださいました。

バトラーは自らを、ルポルタージュ・アーティストと称している。その独自の取材スタイルが結実した本書を、多くの人に読んでもらいたいし、彼のスケッチの大胆な構図や省略、繊細なタッチや色彩をぜひ見てほしい。それが、ウクライナをはじめ、戦争や暴力で苦しむ世界各地の人々を思いだすきっかけになるはずだから。

※「小説丸」より抜粋/全文はコチラから

 

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