きっかけはスマホのロック解除⁉『東京おしゃれ魔女ありす』著者インタビュー

東京おしゃれ魔女ありす』作/天川栄人 ISBN/ISBN978-4-09-289346-7

四六判・並製・192ページ 定価1430円(税込)

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【あらすじ】

『お困りですか? おしゃれ魔女ありすがお助けします。ご依頼は二次元コードから』
東京のどこかに、ド派手なファッションに身を包んだ魔女がいるらしい。
その名は、ありす。
街中に突然現れる広告に誘われて、今日も悩める若者たちが、彼女のもとを訪れる。
「友達に馬鹿にされたくない」「アイドルみたいな顔になりたい」「異性とうまく話したい」etc……。
しかし、ありすは彼らの話をきくやいなや、やる気をなくした表情で一言。
「何それ、ダッサ」
――この魔女、本当に頼って大丈夫?

 

最高にカワイくてちょっぴりビターな物語『東京おしゃれ魔女ありす』が発売になりました!

作者は、日本児童文芸家協会賞受賞、青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出など、とにかく話題に事欠かない天川栄人さん。なんでも今作は、「頭を空っぽにして読んでほしい」一冊だそうで……? 思いを存分に語っていただきました!

“おしゃれ”や“魔女”の物語を書こうと思った経緯を教えてください。

日ごろから、スマホのロック解除に使われるパターン認証が、魔法陣みたいだなと感じていたんです。そこから、杖をふらない、ほうきにも乗らない、スマホ依存の“現代魔女”のお話を書きたいと思いました。

なんとなく派手な格好をしているイメージがわいたので、せっかくならとことん愉快なお話にしようと考え、ファッションのことしか頭にない魔女ありすが、「ダサい」「めんどくさい」と毒を吐きながら周りをふりまわす物語にしようと決めました。

ありす(画像右):修行中の見習い魔女。可愛いお洋服を買うために、“しゃーなし”で人々からの依頼を受けている。 バトラー(画像左):ありすのスマホに棲むAI黒猫。ありすの使い魔兼お目付役。

天川さんにとって“ファッション”とはどういうものですか?

流行を追いかけることに興味はありませんが、パンクロリータなどのファッションは以前から大好きです!

モテたいから、周りの受けがいいから、ということとは関係なく、自分の“好き”や“可愛い”を貫くスタイルに格好良さを感じます。

ファッションに興味を持ったきっかけはなんでしょうか?

10代のころ、容姿や体型にコンプレックスを抱いていた時期がありました。今作に出てくる佑子のように、とにかく自分に自信がなくて……。でも、例えば結婚式に呼ばれてドレスを着るなど、日常から離れた服を身にまとうと、「今日の自分は可愛いかも」と、ちょっと前向きになれる気がしたんです。

みなさんも、新しい靴をおろすと気分があがったり、身に着けると守られているような気分になるアクセサリーがあったりしませんか? これは、“ファッション”が持つポジティブな力だなと思います。

作中のありすの様々な服装のなかで、お気に入りのものはありますか?

表紙がとにかく最高です! 柄も装飾も過剰で一見トンチキな装いですが、派手であればあるほどいいんです。何のためについているかわからないリボンがたくさんあって、機能的には邪魔なパーツばかり。そういうのがとにかく、ありすっぽい!

「私が可愛いと思うからこれを着る!」を体現していると思います。

私自身の“好き”をつめこんだ服装でもありますが、idoさんが思ったまま、いえ、想像以上に仕上げてくださいました!

表紙のほかにも、idoさんのとびきり可愛いイラストが満載!

ありすのセリフは名言ぞろいですが、どんな思いを託されたのですか?

昨今声高に叫ばれる「見た目で差別するな」というのはとても正しい考えだと思います。でも、容姿や体型に悩んでいるときに「ありのままでいいよ」と言われても、「そんなふうには思えないから悩んでいるのに」と感じますよね。

私は、“なりたい自分”があるなら大事にすべきだと思うし、直したいところがあるなら直せばいいと思うし、着飾りたいなら着飾っていいと思います。そのための“おしゃれ心”は大事にしたいです。

でも、人と比べて傷つくのは馬鹿らしいから、あくまでも“自分を体現するためのおしゃれ”を、ありすには語ってほしいと思いました。

例えば、今作には「額にできた傷」をどうしても隠したい未莉愛という女の子が出てきます。傷を隠した方がきれいなのか、ありのままが美しいのか。借りてきた論理で片づけるのではなくて、「自分にとって大事なのは何なのか?」を読者のみなさんにも考えてみてほしいです。

最後に、これから作品を読まれる方にメッセージをお願いします!

ここまで色々語ったことを全否定するようで申し訳ないですが……、とにかく楽しいお話を!と思って書いたので、ぜひ、頭を空っぽにして、ゲラゲラ笑いながら読んでいただけたらうれしいです!

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【著者プロフィール】

天川栄人(てんかわ・えいと)
岡山県生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。第 13 回角川ビーンズ小説大賞にて審査員特別賞、第9回集英社みらい文庫大賞にて大賞受賞。『セントエルモの光 久閑野高校天文部の、春と夏』『アンドロメダの涙 久閑野高校天文部の、秋と冬』(ともに講談社)で第 48 回日本児童文芸家協会賞受賞。『わたしは食べるのが下手』(小峰書店)が第 71 回青少年読書感想文全国コンクール中学校の部課題図書に選出。

 

 

 

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