『聞こえない羽音』作/舟崎泉美 ISBN/ISBN978-4-09-289340-5 四六判・192ページ 定価1430円(税込)
「デフスポーツ」って知ってる?
「デフ(Deaf)」は英語で「耳が聞こえない」という意味。
つまり、デフスポーツとは、耳が聞こえない人や、聞こえにくい人たちがおこなうスポーツのことです。
「デフリンピック」という国際大会もあって、オリンピックと同様に4年に1度開催されます。
そして、2025年11月15日から、日本で初めて東京でデフリンピックが開催されるのです!
その正式種目のひとつ「デフバドミントン」を題材に書かれたのが、小説『聞こえない羽音』。
デフバドミントンの選手たちは、耳が聞こえなかったり、聞こえにくかったりしますが、
ルールは、聴者(聞こえる人)のバドミントンと同じです。
本作は、デフリンピック日本代表選手をはじめ、第一線で活躍されているデフバドミントン選手や関係者の皆さまにお話をうかがって作られました。
『聞こえない羽音』はどんなお話?
主人公は、中学2年生の女の子、涼宮花音(すずみや かのん)。
数年前から耳に違和感を覚えるようになり、感音性難聴と診断されます。
授業や友だちとの会話が聞きとりにくくなり、何より大好きなバドミントンができなくなってしまいました。
もう二度と笑えない。もう何もできない。
絶望のふちに突きおとされた花音ですが、デフバドミントンと出合い、新たなダブルスのパートナーと出会って、人生が変わりはじめます。
一度はすべてを失った花音の、再生と挑戦の物語です!

作者・舟崎泉美さんからのメッセージ
不安から目をそらしているだけでは、前に進むことはできない。
向きあって、立ちどまって、そのうえでどう生きるかを決めることが大切なのだということを、私はこの物語を書きながら強く感じました。
花音と同じように不安からはだれだって目をそむけたくなると思います。
でも、そむけつづけることで不安が消えることはないんだと思います。
さまざまな気づきを与えてくれたこの作品は、私にとって大切な物語になりました。