ブラックホールをペットにする、奇想天外な物語。
かの有名な宇宙現象・ブラックホール。世界各国の研究者が協力し合って、史上初の撮影に成功したというニュースは記憶に新しいところ。
しかし今度は、そのブラックホールを飼ってみた。って、一体・・・?
意表をつく角度で、ユーモアたっぷりに物語を紡ぐ名手ミシェル・クエヴァスの新作児童書『ブラックホールの飼い方』が、小学館より2020年10月7日に発売となりました。
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■かわいいペットは、ブラックホール!?
科学や宇宙が好きな11歳の少女・ステラは、宇宙研究施設NASAからの帰り道、人間ではない何かにあとをつけられる。
とことん真っ黒で、目の奥に小さな銀河が広がっているそれは、まるでブラックホールみたい。このブラックホール、子犬みたいに健気で愛嬌もあるうえに、嫌なものをなんでも飲みこんで片付けてくれるので、ステラは大助かり。
ところが、あるものが飲みこまれてしまい、ステラはブラックホールの中へ取りに行くことになり・・・・・・。
ブラックホールと少女の心の穴がリンクする、喪失からの立ち直りに寄り添う感動の物語なのです。
しかし、本書、「奇想天外でユーモラス」だけが売りではないのです。
軽い語り口ながらも、愛に満ちたやさしいメッセージを内包し、それを読者に届けるためのギミックが最高なのです。
イタリアの権威ある文学賞「ストレーガ賞」の児童書部門の最終候補作に選ばれただけのことはあります。ボローニャ・ブックフェア2019の会場にて、発表&紹介され話題になり、世界8カ国語に訳されています。
「イメージ豊かに語られるゆかいなエピソードで読者を存分に笑わせ、楽しませながら、肉親の喪失という重いテーマを描ききるのは、まさにこの作家にしかできない芸当だろう」(訳者あとがきより)
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