2020年10月7日に小学館より発売されたミシェル・クエヴァスの新作児童書『ブラックホールの飼い方』。
小さなブラックホールをペットにするという、奇想天外、ユーモアたっぷりの軽い読み心地ながら、目を背けたい心の穴にもがきながら向き合っていく少女の姿に、全国の書店員さんから熱い感想コメントが寄せられています!
主人公ステラの勇気とせつなさがあふれてきて、最初から最後まで、思わず涙が流れ星になりました。
本の仕掛け(ギミック)が、冒険の臨場感でわくわくします。姉弟の名前も物語にぴったりで最高です。
宇宙に向かって、自分の内面に向かって、無限の煌めきを伝えてくれて、ありがとう。友だちがあまりいなくたって、無理に人に合わせなくたって、まるごと受け入れてくれて、安らげます。周りのお友達の気持ちを思いやることも学んでいけます。大切な人とお別れした小さなお友達の心がどうか優しく包まれますように。
子どもだけでなくて、大人の心のグリーフケアにもなると、私も読んで実感したので、たくさんの人に届けたいです。自分で考えて、自分で納得する。粋で愉しいこの発想は宇宙レベルで素敵です。
ミシェル・クエヴァスの物語は、さらなる想像力の翼を世界中に羽ばたかせてくれました! ページを開くと、ほらもうブラックホールに引き込まれてしまいそう。読み終わったら、胸の真ん中がぽかぽかします。
前作を超えて大好きな、愛が込められている本です。ブラックホールを飼ってみたい人はどこかにいるかしら。ステラと一緒にゆっくり宇宙の永遠を旅してみませんか?
(うさぎや矢板店 山田さん)
「ブラックホールをペットとしてしつけて飼う」。何というぶっとんだお話でしょうか!
全編驚きに満ちたイマジネーションとユーモアがあふれていて、読んでいてワクワクがとまりません。
後半、ブラックホールの中で自分の心の奥底の悲しみと向き合うステラ。最愛の人との永遠の別れ。私も同じ経験をしており、一つ一つの言葉に涙が止まりませんでした。
これほどの想像力に満ちた物語だからこそ、教えてくれた「答え」の素晴らしさ。たくさんの人に、このお話の力を伝えたいと思います。
(未来屋書店 有松店 富田さん)
昔から、何かを捨てる事、手放す事が苦手でした。
今も苦手です。最愛のパパとの思い出をラリーに食べさせる事で手放す決意をしたステラは、とても強い子だと思いました。
けれど、手放した、捨てたハズのものたちにはとても大きな意味があった。
(弟コスモのお気に入りのおもちゃを処分したら、真人間だけど、とてもつまらない人間になってしまった、というエピソードが好きです)。
たった11歳の少女が前人未到の大冒険の果てに、とっても大切なことを教えてくれました。
(三省堂書店神保町本店 竹村さん)
まるで、捨て猫をひろって育てていくように、小さなブラックホールを飼い始めるステラ。
現実ではあり得ない状況に「なんて奇想天外な!!」という驚きで読みはじめました。
何でもかんでも飲みこんで、とても困った存在なのに、ステラの言いつけは守ったり、かわいらしい所もあって、まるで本当のペットのよう。
だけど、悲しい思い出や嫌いなものをどんどん消してしまったあとで、なにかがおかしくなっていると気づくステラ。自らもブラックホールの中を探検する事で、悲しい事や忘れてしまいたい事に本気で向き合い、悲しみを乗りこえる強さや、素敵で忘れがたい思い出を手に入れることが出来た。
ブラックホールのラリーは、ステラを1段階、大人に成長させてくれる試錬でもあり、親友でもある。そう感じました。
(明文堂書店TSUTAYA戸田店 坂本さん)
誰でもブラックホールに食べさせて、なかったことにしたい事あります。
それをたくさんの時間をかけて右往左往しながら自分の一部にしていくと思うんですが、この本はその手助けをしてくれる本だと思います。
もちろんステラの冒険として読むのもとても楽しいですが、必要な人にはその中からちゃんとメッセージが届く、そんな本だと思います。たくさんの人に届きますよう!
(喜久屋書店 高岡店 土谷さん)
ブラックホールを飼うってどんな感じ・・・?と、読んで、なるほど!そう繋がるのか!!と納得。
誰もが人生で何度かはぶつかる「心に空いた穴」という壁。その穴との向き合い方は色々だけど、そこから目をそむけないことが大切だ、と。
辛いことがあると、つい目をそらしてしまいますが、本当にそらしてはいけないんですよね。きちんと向き合うことの大切さ。大人になる前に読みたかった。
(ブックセンタージャスト大田店 島田さん)
ブラックホールを飼う!?またやってくれるぜ!と思いました。
見たくないものを食べさせたラリーの中でステラが自分自身や家族と向き合っていく姿が、最初はすごく不安でしたが、途中からとても頼もしく見えました。
お父さんのこと、本当に好きだったんだなあ。居なくなってしまった人との思い出に触れることが、どれほど痛くてさびしいか。でも、本当は、とても楽しくて愛おしいことなんだと、ステラに教えてもらいました。
(ビッグワンTSUTAYA さくら店 阿久津さん)
まさかこんな可愛いブラックホールがいるなんて!!!
もうはじめからキュンキュンでした!!!
ミシェルさんにしかかけないユーモラスな文章の中に、お父さんを失ってしまったステラの心の空洞が響いてきて悲しいな・・・と思っていたら、まだ人類が誰も体験したことのない、ブラックホールの中へ冒険に行くなんて(笑)
大切な思い出をつぎつぎラリーに食べさせてしまって、一体どうなるんだろう・・・そんな心配が、ブラックホールの中で、こんな風に展開してくとは思っても見ませんでした。
私たちも悲しさのあまり捨ててしまいたくなるようなことがあるけれど、ステラのお父さんの言葉を思い出して進んでいける気がします。
(TSUTAYA中万々店 山中さん)
目をそらしたくなるものや事実から、ちょっと逃げてしまうことを許してくれる物語。
でも、読み終えたら、それらを自然と受け止められるようになれる魔法のような一冊。
(積文館書店ブックセンター クエスト門司大里店 谷さん)
まさかのブラックホールがペットに?!
かなりすごい内容にびっくりしながら、このラリーがどんどん可愛く見えてきます。
子犬のようにキラキラした目でゴロンと甘えてきたり。なでてあげたいのになでられないもどかしさを感じながら、ラリーの中の真っ暗闇に向き合うステラはすごいと思う。
なんでも吸い込んでくれるのはありがたいことなんだろうけど、それだけではいけないのが現実。そのことをこの本は教えてくれました。
(コメリ書房 鈴鹿店 森田さん)
そもそもあのブラックホールを本当に飼えるのだろうか?
お家で? 大きさは? しつけは?
そんな疑問を「ラリー」は、ぶっ飛ばす。超キュートなブラックホール。私も欲しい。
何でも吸い込んでくれる。不用品、嫌いなセーター、ボール、愛犬・・・これはマズイ。そして、心の傷。大好きなパパの声。
でもね、手をはなしちゃいけないものもあるんだよ。と、ラリーは教えてくれる。
胸裂かれる辛い思いを生きるのは結構しんどい。でもいつか、ブラックホールの漆黒の闇の中で輝く星の光があなたをハッピーエンドに導いてくれます。
素敵な本でした。
(フタバ図書GIGA上安店 木ノ下さん)
ステラの勇気と行動力に脱帽!!
お父さんを亡くした哀しみを昇華させて、弟との絆も取り戻し、そしてなんと、ブラックホールまでしつけてしまう。なんてすごい女の子!
楽しくもあり、内包している問題がとても深く、親子で語り合うのにぴったりの作品だと思います。
(文真堂書店ビバモール本庄店 山本さん)
感想コメントお寄せくださった書店員のみなさま、本当にありがとうございましたー!!
児童書ですが、大人の方にもおすすめしたい一冊です。お近くの書店にて、ぜひ、お手にとってみてください。